Ryo@病院薬剤師 ”僕らは一生一期生”

病院薬剤師です。よろしくお願いします。

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ようこそ病院実習へ~薬学部の学生さん、実は新人向けでもある~

5月になりました。

GWは楽しかったでしょうか?

自分は日直2回、当直1回でした泣

5月は振替休暇も多いので、休みはそこで取り返します。

 

5月から(早い人は今日から?)薬学部の5年生は病院実習が始まるようですね。

今回は病院実習でおすすめしたい書籍などについて紹介できればと思います。

 

書籍編

病気が見えるシリーズ

一度は見たことがある「病気が見えるシリーズ」です。

薬学部は基本的には疾患に関する講義は少なく、

大学の講義では、薬物治療が主な疾患やよく見る疾患、さらに言えば国家試験に出題される疾患がメインになります。

 

当然、それ以上に病気があり、自分が担当する患者さんや処方監査した患者さんの疾患がそれらに該当しないとも限りません。

そこで役立つのが「病気が見えるシリーズ」です。

初めて見る疾患やあまり勉強できていない疾患についてもイメージを使いやすいので、まず開いてみるのがおすすめです。

 

自分で買わなくてもよいです(多分)

多くの病院の薬局にはおいてあると思うので見てみましょう。

可能であればコピーしてノートに張っておくとよいと思います。

 

薬が見えるシリーズ

「病気が見えるシリーズ」の薬版です。

医薬品の薬理作用や効果、有害事象についてイラスト付きで分かりやすくまとめられています。

薬学部でも、近年の新薬の開発スピードは速く、教科書に載っていない医薬品も見受けられます。

そんな時にまず開いてみるとよいのがこの本です。

とっかかりには良い一冊です。

 

買ってもいいと思いますが、

多分薬局にあります。内容を見てからでも遅くないと思います。

 

 

しかし、薬学部なので、薬が見えるで満足するのでなく、せっかくなので専門の教科書を見るのも良い経験になると思います。

自分がおすすめなのは次の2冊です。

NEW薬理学

教科書として使っている大学も多いと思います。

薬理学的にもしっかりまとめられていてわかりやすいです。

細かい受容体の親和性の違いや代謝についてもしっかりと書いてあるので勉強するにはおすすめできる一冊です。

 

グッドマンギルマン薬理書

初めに言わせていただきます。

絶対に買おうと思わないでください。そのくらい大きく、重く、高いです。

薬理学の教科書では世界中で使用されているものです。

もちろん日本語訳もありますので、ご安心ください。

薬局においてあるところもあると思います。

特に薬物動態の情報(分布容積やクリアランス)に関する情報が手に入るので、

TDM対象外の薬剤でも血中濃度を予測することが可能になります。

自分も年に数回は必ず使用するので薬局においてあったら是非、手に取ってみてください。

 

レジデントのための感染症マニュアル

感染症を学ぶ上では必読の一冊です。

抗菌薬の使い方や感染症の治療について困ったことがあれば是非手に取ってもらいたいと思います。

大学ではあまり感染症についてやることは少なく、特に感染症治療についてはあまりやらないと聞きます。

しかし、臨床の現場では薬剤師は感染症治療で活躍する機会も多く、

病院実習をきっかけに感染症にも興味をもってもらえると嬉しいです。

 

自分は個人的に感染症治療を薬剤師が学ぶのを勧めています。

よろしければこちらもご覧ください。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

ストックリー医薬品相互作用

薬物間相互作用を調べるときに役立つ一冊です。

本当は英語の書籍です、残念ながら。

薬物間相互作用のメカニズムや対策について調べることができる辞書のような一冊です。

グッドマンギルマン同様に原著は買わないでください。

幸い?日本語訳のポケット版もありますので、読みやすいと思います。

こちらは白衣のポケットに入る大きさです。

 

注射薬調剤マニュアル

この本は配合変化を調べるのに有用な書籍です。

注射を扱う病院には必ずおいてある(あってほしい)一冊です。

注射薬の配合変化について条件に沿って確認することができます。

病棟からの問い合わせランキング上位の配合変化をこの一冊で解決することができます。

唯一の欠点は医薬品が昔の商品名である点です。

時代の違いを感じてください笑

 

おすすめサイト

次はネットのサイトです。

パソコンが使えるのなら是非触ってみてください。

 

白鷺病院HP

腎機能が低下した患者さんへの薬剤の投与量を調べることができます。

これも病棟、特に医師からの問い合わせが多い内容です。

書籍であれば、「腎機能別薬剤投与量POCKETBOOK」です。

(薬局にあってほしいです。)

それでもわからない場合などに便利なのがこのサイトです。

http://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/index.html

 

薬剤ごとの腎機能低下時のみでなく、透析時の投与量について検索可能です。

しかも、更新速度が速いので、結構なんでも調べられます。

しかし、このサイトも商品名での索引なので気をつけましょう。

 

Up to Date

HPではないですが、電子教科書の1つです。

施設で契約しているところで実習するのであれば是非使ってみてください。

(大学で契約していることころもあります)

何がすごいかって、なんでも調べられます笑

 

英語ですが、3か月ごとにその分野の専門家が集まり内容を常に最新のものにしてくれています。

教科書の弱点である速度をほぼカバーできる内容です。

疾患や治療法、相互作用まで調べることができるので使い機会がなくともあれば触ってみてください。

 

しかし、英語…

そう思ったかもしれませんが、今はAIの時代です。

おすすめの英訳サイトがあります。

DeepL翻訳

英語をコピペすれば日本語にしてくれます。

昔を比べ、意味の分かる、自然な日本語にしてくれます。

www.deepl.com

アプリもあるので入れておくと便利です。

ライフサイエンス辞書

これは医療系の単語を調べるのに役立つ電子辞書サイトです。

医療系でわからない単語があれば使ってみましょう。

lsd-project.jp

 

まとめ

学生実習に役立つツールのつもりで書きましたが、

実は新人薬剤師の先生方にも使ってもらいたいツールでした。

薬局にあれば是非、なければ買ってもらって使っていきましょう。

 

今回紹介したのはあくまでも「道具」です。

実際に「使い方」は習うより慣れろでまずは使ってみてみましょう。

うまくいけば自信につながりますし、失敗してもそこから得られる経験はあります。

 

特に学生さんは失敗してなんぼなので、失敗を恐れずに楽しんで実習に臨んでください。

早く成功するためには、いかに早く失敗するかです。

自分も10年間で数えきれないくらい失敗をして学んできました。

 

皆さんもは失敗から学べるようまずは挑戦してみてください。

それでは良い実習になることをお祈りしています。

 

RYO