Ryo@病院薬剤師 ”僕らは一生一期生”

病院薬剤師です。よろしくお願いします。

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新しいものは好きですか?

新しい商品が出たら、買いたいですか?

 

今日から6月です。

噂ではAppleの新商品の紹介があるようです。

自分はiPhone14とMacbook airの新商品に注目しています。

 

一方で、買うかと聞かれればおそらく買いません。

 

何故なら、「本当に価値あるものか」が出たばかりにはわからないからです。

 

今回は新しいものの価値について自分の考えをまとめてみました。

 

新しいものの良い点

まず新しいものを手に入れる良い点についてです。

・機能が充実している。

・問題点が改善されている。

・新しいものを手に入れた満足感

 

一方で、新しいものを手にいれた悪い点です。

・不具合が起こる可能性。

・オーバースペックとなる可能性。

・浪費になる

 

ひとつづつ見ていきましょう。

良い点

機能が充実している。

新商品はこれまでにない機能が搭載されていることが多いです。

iPhone14に期待することにはUSB-Cの導入やカメラ機能の向上です。

また、Macbooc airではM2プロセッサーの搭載されるか楽しみです。

 

これまでの商品よりの上位機種が手に入り、これまでできなかったことができることはうれしいことです。

 

問題点が改善している

これまでの課題が改善している可能性があります。

不具合のあったアプリが使えるなどでしょうか。

MacではWindowsとの互換性はだんだんとよくなっていると聞きます。

 

不具合が減れば、ストレスも減り、満足度が挙がること間違いなしです。

 

新しいものを手に入れた満足感

これも重要です。

新製品はテンション上がりますよね?

満足感を得ることは気持ちの上でよいことです。

特に大きなアップデートが無くても、毎回iPheneを機種変更している人もいると聞きます。

 

悪い点

次に悪い点です。自分はこれが嫌でいきなり買わないことが多いです。

不具合が起こる可能性

新しい機能を搭載することで起こる不具合が考えられます。

自分はこれが一番嫌なので、必ず一定の人が購入、使用して問題点が明らかになったうえで購入しています。

 

買ったはいいけど不具合だらけだったでは満足度も下がってしまいます。

 

オーバースペックとなる可能性

例えば、Macbook airでM2プロセッサーが導入されて、

「どこでも動画編集ができます。」

iPhone

「映画が撮れるくらいの画素数です」

 

といわれたとします。

自分の感想は「別にYouTuberじゃないし、映画も撮らないし…」です。

 

自分が求めていること以上のことができても、使いどころがなければ無用の長物になります。

 

浪費になる

最後はお金の問題です。

無料で交換してもらえるなら考えるかもしれませんが、

使う予定のないもの、リスクが高いものにわざわざリスクを負うのには躊躇します。

 

むしろ、型落ちの方がコスパが良く満足度が高い可能性すらあります。

 

このように、

新商品にはメリットと同じくらい。

または、それ以上のデメリットを負う可能性があるのです。

 

新薬に置き換えて考える

何故今回、このようなテーマを考えたかというと、

私を含め、読者の先生方の多くは薬剤師なので、

「新商品」をすべて「新薬」と置き換えてみるとどうでしょう。

 

この場合、デメリットは非常に気にしなければならないのは歴史を見ても明らかです。

鳴り物入りで新規販売された薬で、今は見なくなった薬を思い浮かべてみましょう。

 

不具合の可能性=副作用、有害事象

オーバースペック=広域抗菌薬など

浪費=医療費高騰

 

このように置き換えられると思います。

薬剤師であれば、新薬のメリット以上にデメリットに注意を払いたいです。

 

では、どうするか。

 

新商品について調べる方法

使った人の意見を聴く

俗にいう「人柱」の方々の御意見をネットやブログ、YouTubeで確認してメ

リット、デメリットを確認する方法です。

医薬品では臨床試験の結果や海外の使用実績を見ることで情報が得られます。

 

選考しよう実績が海外であれば可能な限りデメリットについて調べることができます。

 

常に最新の情報を入手する

使用実績調査や安全性報告を確認してみることが大切です。

イエローレターやブルーレターが出た場合は急いで対応が必要です。

また、仲間内で問題点を共有することも良いと思います。

 

まとめ

いかがでしょうか。

自分は新商品をいきなり買うことはしません。

利点以上にデメリットを調べ上げ、それでも購入する価値があると思ったものを買うようにしています。

薬剤についても、新しいから使うでは無く、必要だから使うを心がけて業務に臨んでいます。

 

新薬に対する期待は大きい一方で、

新しい=良い、古い=悪い

と思い込んではいませんか?

 

ペニシリンは古い、安いですが、必要で有効な抗菌薬です。

 

昨日にはアロカリス®やサムタス®が販売されました。

すでに自分の病院では処方が開始されていますが、

彼らがどのような立ち位置となるか、問題点はあるか検証が必要ですね。

 

本当の価値を見極めることができるように今日も頑張りたいと思います。

 

それではまた

 

 

RYO

目指せ、抗菌化学療法認定薬剤師

今回は以前より自分がおすすめしていました、

抗菌薬の使い方を学習する過程で、抗菌化学療法認定薬剤師の認定を取得について紹介させていただきます。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

抗菌化学療法認定薬剤師は、日本化学療法学会が認定する薬剤師の認定の一つです。

取得することで、特にできるようになる業務や算定はありません。

しかし、取得までの過程で抗菌薬の使い方に関する知識が身につくだけでなく、

実際に抗菌薬を使えるようになれます。

 

今回は、抗菌薬認定薬剤師になるまでの過程を紹介します。

 

認定要件について

2022年5月時点での認定要件は以下の通りです。

http://www.chemotherapy.or.jp/qualification/pharmacist_about.html

抗菌化学療法認定薬剤師の申請は下記の各項を満たす者とする。

  1. 本邦における薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格及び抗菌化学療法の見識を備えている。
  2. 申請時に、薬剤師として抗菌化学療法に5年以上かかわっていることを示す所属する施設長又は感染対策委員長の証明が得られる。
  3. 申請時において、本学会の正会員である。
  4. 医療機関において、薬剤管理指導・TDM(治療薬物モニタリング)・DI(医薬品情報)などの業務を通じて感染症患者の治療(処方設計支援を含む)に自ら参加した15例以上の症例を報告できる。
  5. 本学会の抗菌薬適正使用生涯教育セミナー・認定委員会の指定する研修プログラムなどにおいて、別に定める単位数を取得している。

 

1については無視しましょう(笑)。特に深い意味はありません。

 

2は薬剤師になってから5年たたないといけません。

この間に、4の症例と5の点数を集めておきましょう。

 

3で注意すべきは申請時に入会していることが条件です。

受験する年に入会していれば十分です。講習会も実費で払うので大丈夫です。

講習会は割引がありますが、元を取れるほどでないので、入会期間は最小限でよいでしょう。

 

4ここが一番の問題です。後述します。

 

5講習会と学会参加が必須になっていますので、最低でも1回ずつ参加すればほぼ点数は十分です。残りは以前に紹介しました医療薬学会の年会や日本病院薬剤師会の学会の参加で十分です。

いずれ感染症認定などを取得したい場合は入会しておいたほうが良いでの早めに入会し、学会にも参加するとよいと思います。

詳しくは以下の記事をご参照ください。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

症例集積

一番心配になるのが症例集積だと思います。

自分は先輩の助言もあり1年で集まりましたが、薬剤師になって5年間は認定試験が受けられませんので、それまでに準備できれば十分だと思います。

 

15症例を集める必要がありますが、この工程で、抗菌薬の使い方を実践を通して学ぶことができます。

15パターンの薬物治療を提案できるようになれば、それだけでも十分な成果だと思います。

 

特に誰もが驚く治療提案をする必要はありません。

基本的な相互作用や、用量調整などをガイドラインなどを参照して提案できるので十分です。

また、治療提案したにも関わらず、患者さんの原疾患の悪化などで残念な結果となっても、提案内容自体が適切であれば問題ありませんでした。

自分の症例も3例ほどは死亡症例でした。

 

参考になる書籍は以前に紹介した書籍を参考になると思います。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

また、化学療法学会が出版している感染症治療ガイドも有用な資料になると思います。

参考文献に自分も良く引用しました。

 

 

まとめ

今回は大まかな流れについて紹介しました。薬剤師になってから最初の5年で準備できれば、抗菌薬に関する必要な知識は十分につくと思います。

症例の内容については今後も紹介していきたいと思います。

 

こそれではまた

 

RYO

おすすめ書籍~がん化学療法編~

新人薬剤師の先生方もそろそろ服薬指導が始まった時期でしょうか。

自分の病院でも到達度確認試験がそろそろ始まるよていです。

 

入職2-3年目の先生方はそろそろ病棟デビューの時期ですね。

調剤室でも抗がん剤の鑑査ができるようになっているでしょうか。

 

今回は抗がん剤のレジメン鑑査や服薬指導でおすすめできる書籍を紹介できればと思います。

 

以前に感染症、周術期の書籍も紹介してますので、こちらも是非ご覧ください。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

 

がん診療レジデントマニュアル第8版

がんやがん化学療法、有害事象管理、疼痛緩和医療までがんに関わるあらゆる情報が網羅されている一冊です。

がん化学療法に初めて触れる先生はもちろん、がん病棟を担当する薬剤師が必ず持っている、そのくらいの良本です。

 

治療に用いられるレジメンのみでなく、がん腫ごとの疫学や予後も記載されており、網羅的に学習することもできます。

 

1点残念なのが、2019年に出版された書籍なので、最新のレジメンは載っていません。

例をあげると肺がんのアテゾリズマブなどは載っていません。9-LAやCASPIAN試験についても載っていません。

 

そして、もしかすると1年以内くらいに第9版が出るかもしれません。

 

それでも、なしで病棟に行けと言われれば不安になります。

そのくらいの良本です。最低、この本があればどうにかなると思えるくらいおすすめです。

 

 

 

がん化学療法レジメン管理マニュアル第3版

がん診療レジデントマニュアルと同じくらいおすすめしたい一冊です。

自分もがん病棟担当する日はこれら2冊をもって病棟に行ってます。

 

こちらは、代表的なレジメンについての投与量や投与方法のみでなく、用量規定因子や有害事象発生時の対応について、レジメン管理の基礎を学ぶことができる一冊です。

 

取り上げられているレジメンはいずれも各がん種の代表的なレジメンばかりなので、実際の臨床に即役立つ内容です。

 

一方、残念な点を挙げると、比較的にマイナーなレジメン(第3選択以降など)は記載されていない点があります。しかし、記載のあるレジメンから推測や確認事項の参考にはなるのでお勧めの一冊です。

 

残念ながら、こちらも2019年発刊のため、最新のレジメンは載っておらず、そのうち最新版が発行される可能性があります。

改訂第7版がん化学療法レジメンハンドブック

同じくレジメンの書籍ですが、こちらの本は代替のレジメンが載っています。

第一選択でつかわれるレジメンから、懐かしい(10年越えの薬剤師にとって)レジメン、いつのレジメン!?と思える年代物(失礼笑)まで網羅的に記載されています。

 

そのため、改定を重ねるごとに厚くなっております。成長率は青本と良い勝負です。

第5版くらいから白衣のポケットに入りきらないようになってます。

 

それでも、網羅的にレジメンごとに対応や管理上の注意点が記載されているので、

薬局には是非おいてあってほしいと思う一冊です。

本当に、だいたいのレジメンは載ってます。

 

ただし2019年発刊(これもかよ!)なので、、、以下省略

 

 

 

がん化学療法副作用管理マニュアル第2版

がん化学療法副作用対策ハンドブック 第3版

いずれも、がん化学療法の有害事象に特化した本です。

2冊まとめての紹介です。

 

有害事象が生じたときの対応についてまとめてある内容です。

各薬剤の適正使用ガイドを開かなくても多くの場合、特に細胞障害性の抗がん剤の有害事象とその対応についてはこれらの本を参考にすると6~8割は対応できる印象です。

 

この本でも対応に迷ったときは、自分は専門薬剤師の先生に聞いてます。

 

それでも初期対応やよく起こる有害事象の勉強にはおすすめできる内容です。

図書館や薬局においてあるのを見て好みで選ぶので良いかと思います。

 

 

 

 

 

がん専門・認定薬剤師のための がん必須ポイント 第4版

がん化学療法の認定、専門薬剤師を目指す為の教科書になる一冊です。

自分は目指していませんが(笑)、勉強になるので読んでいました。

各がん種ごとに疫学から治療、予後まで網羅的に記載されているので、自分の担当する領域について確認するだけでもとても勉強になります。

 

がん化学療法の認定、専門を取る人はこの内容を覚える領域まで行くのですから本当にすごいですよね(感動)

 

 

抗悪性腫瘍薬の院内取扱い指針 抗がん薬調製マニュアル 第4版

これもがん化学療法認定、専門薬剤師の試験の出題範囲になる本です。

治療というよりも薬剤そのものの調製や安定性について記載されている一冊です。

調整後の安定性や配合変化など病棟からの問い合わせに対する対応にも便利な一冊です。

 

薬局にはおいてあると思いますので、抗がん剤の調製や製剤的な問題で困ったことがあれば是非使ってみてください。

 

 

まとめ

いいかがでしょうか。
がん化学療法の勉強や業務でおすすめの書籍です。
初めの2冊は是非お勧めします。
お役に立てれば幸いです。
 
それではまた。
 
RYO

コーチングスキル~学生実習から患者指導まで~

5月も半ばになりました。

新人薬剤師の先生方もそろそろ服薬指導を始めたことでしょうか。

病院では学生実習が始まったかと思います。

 

今日はそんな学生指導から患者指導に使える「コーチング」についてご紹介したいと思います。

 

コーチングとは?

コーチングはクライアント(顧客=学生や患者さん)がその可能性を最大限に発揮できることを目指し、クライアントに行動を起こさせるクライアントとの提携関係のことです。

はい、よくわかりませんね笑

要約すると、学生さんや患者さんが目標達成や問題解決を目指すことをお手伝いするプロセスの元です。

 

コーチングの語源は「馬車(Coach)」だそうです。

馬車の大切なお客さんを目的地(目標達成)まで送り届けることが語源だそうです。

 

ティーチングとの違い

ではコーチングと教育(ティーチング)の違いは何でしょうか。

ティーチングは教育者(ティーチャー)が相手(学生、患者)に持っている答えを指示や命令、指導として「与える」ことが目的となります。

ティーチングは主に「知識や経験のない(答えをもっていない)相手」に対して行うことです。

 

一方で、コーチングは監督(コーチ)が相手(学生、患者)がもともと持っている「答えを引き出す」ことが目的になります。

コーチングは「すでに知識や経験を持つ(答えを持っている)相手」に対して行うことです。

 

学生や新人教育では、すでに学校で知識を持っている相手になるので、おそらく答え(もしくは近いもの)を持っているので、それを引き出すようなコーチンが適当になります。

また、コーチングでは答えを自分で見つける経験を得られることから、自主性が芽生えやすいといわれています。

 

コーチングの大前提は

①相手は誰もが無限の可能性を持っている

②「答え」は相手の自身の中にある

と考えて、その答えを引き出す技術のことです。

 

コーチングスキルについて

メラビアンの法則

コミュニケーションでは言語と非言語に分けられることはご存じでしょうか。

メラビアンの法則では

言語(内容)が7%、声(大きさ、スピード、調子)が38%、非言語が55%

と考えられています。

話し手が聞き手に与える印象を形成する要素の多くは非言語コミュニケーションとなりいます。

つまり、話す内容よりも話し方が大切ということです。

そのため、どんなに良いことを言っていても、態度や話し方が不適切であれば、相手は話を聞いてくれないということが起こります。

 

今回は、コーチングのスキルとして、「聴く」、「質問」、「承認」、「フィードバック」、「助言(アドバイス)」を紹介します。

 

聴く力

「聴く」の意味は心を集中して身を入れて聴くことです。

真剣に話を聴くことで、相手には「存在を認めてくれている」ことが伝わり、信頼関係の構築の基盤となります。

そのため、話を「聴いている」ことが相手にしっかり伝えるために、相づち繰り返し共感的態度をとることが良いと思います。

OSCEみたいですね。

 

質問する力

コーチングの質問は「相手に考えさせる」「相手の中にある答えを引き出す」ことを目的に行います。

自分が聞きたい答えを得るための通常の質問とは異なります。

コーチングでの質問では、以下の2つの質問を使い分けることが大切になります。

開放型の質問(オープンクエッション):自由回答を求める質問

閉鎖的な質問(クローズドクエッション):はい/いいえで答えられる質問

 

コーチングでは開放的な質問をメインに行い、答えを引き出すことが重要です。

また、他にも

①質問したら相手に考える時間を与える、

②肯定質問(どうすれば○○できると思う?)、

③未来質問(うまくいくためにはどうしようか?)という方法が望まれます。

②と③はポジティブシンキングの方法としてもよく知られています。

逆に否定質問(なんでできないの!)や過去質問(なんでああなったの!)ではあいてをネガティブな思考に陥れてしまいます。

 

承認する力

承認は誰もが持つ「相手に認められたい」という心理的な欲求を満たすことができます。

具体的には

結果承認(得られた結果を認める、ほめる)、

事実承認(結果が得られなくてもその過程を認める、ほめる)

存在承認(相手の存在を認める、名前で呼ぶ、挨拶をする)

等があります。

挨拶や名前で呼んであげることは簡単にできるので是非取り入れてみてください。

 

フィードバック

適当な日本語を探しましたがなかったので、そのまま載せてます。

フィードバックの目的は、相手との評価基準のすり合わせになります。

そのため、

①頻回に

②正確に

③具体的に

④適切な時期に

が挙げられます。

④の適切な時期については、特にネガティブな内容を伝えるときに、相手の失敗に対して怒りの感情が生じた場合には時間をおいて怒りが収まってから行うことも重要です。

これはいわゆる「アンガーマネジメント」にも言われていることです。

 

また、フィードバックはPNP(ポジティブ、ネガティブ、ポジティブ)で行うこと、

ネガティブな情報は改善策を合わせていうことが望ましいといわれています。

間違ってもNNN(ネガティブ×3)にならないようにしたいです。

 

助言する力

助言も有用なのですが、一方で注意も必要です。

例えば、指導者の成功体験を用いて助言する場合は、

「それは再現性のある方法であるか」

が問われます。たまたまうまくいったでは結果的に助言にはならない可能性があるだけでなく、自慢話に取られる危険性もあります。

 

価値ある助言は再現性があることが良いといわれています。

特に「自身の失敗から学んだこと」にはすでに学びがあるため伝わりやすいといわれています。

スターウォーズの映画の中でジェダイマスターのヨーダも言っていました。

「失敗を伝えることが大切なのだ」と

 

また、助言は相手が実行可能である必要があるので、助言する前に一度よく考えてからおこなうことが望ましいいでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

コーチングはなれない言葉と思いますが、「相手の中に眠っている答えを引き出す」ことができる素晴らしい方法です。

学生や新人相手だけでなく、自分自身への問いかけや患者さんへの指導にも生かすことができます。

 

一朝一夕にマスターすることはできませんが、

意識づけて行動し、振り返ることで少しづつ身に着けることができます。

是非、今日からの行動に活かしていただければと思います。

 

最後に、いくつか書籍も紹介しますので、興味のある先生方は是非読んでみてください。

 

それではまた

 

RYO

 

 

 

 

 

ようこそ病院実習へ~薬学部の学生さん、実は新人向けでもある~

5月になりました。

GWは楽しかったでしょうか?

自分は日直2回、当直1回でした泣

5月は振替休暇も多いので、休みはそこで取り返します。

 

5月から(早い人は今日から?)薬学部の5年生は病院実習が始まるようですね。

今回は病院実習でおすすめしたい書籍などについて紹介できればと思います。

 

書籍編

病気が見えるシリーズ

一度は見たことがある「病気が見えるシリーズ」です。

薬学部は基本的には疾患に関する講義は少なく、

大学の講義では、薬物治療が主な疾患やよく見る疾患、さらに言えば国家試験に出題される疾患がメインになります。

 

当然、それ以上に病気があり、自分が担当する患者さんや処方監査した患者さんの疾患がそれらに該当しないとも限りません。

そこで役立つのが「病気が見えるシリーズ」です。

初めて見る疾患やあまり勉強できていない疾患についてもイメージを使いやすいので、まず開いてみるのがおすすめです。

 

自分で買わなくてもよいです(多分)

多くの病院の薬局にはおいてあると思うので見てみましょう。

可能であればコピーしてノートに張っておくとよいと思います。

 

薬が見えるシリーズ

「病気が見えるシリーズ」の薬版です。

医薬品の薬理作用や効果、有害事象についてイラスト付きで分かりやすくまとめられています。

薬学部でも、近年の新薬の開発スピードは速く、教科書に載っていない医薬品も見受けられます。

そんな時にまず開いてみるとよいのがこの本です。

とっかかりには良い一冊です。

 

買ってもいいと思いますが、

多分薬局にあります。内容を見てからでも遅くないと思います。

 

 

しかし、薬学部なので、薬が見えるで満足するのでなく、せっかくなので専門の教科書を見るのも良い経験になると思います。

自分がおすすめなのは次の2冊です。

NEW薬理学

教科書として使っている大学も多いと思います。

薬理学的にもしっかりまとめられていてわかりやすいです。

細かい受容体の親和性の違いや代謝についてもしっかりと書いてあるので勉強するにはおすすめできる一冊です。

 

グッドマンギルマン薬理書

初めに言わせていただきます。

絶対に買おうと思わないでください。そのくらい大きく、重く、高いです。

薬理学の教科書では世界中で使用されているものです。

もちろん日本語訳もありますので、ご安心ください。

薬局においてあるところもあると思います。

特に薬物動態の情報(分布容積やクリアランス)に関する情報が手に入るので、

TDM対象外の薬剤でも血中濃度を予測することが可能になります。

自分も年に数回は必ず使用するので薬局においてあったら是非、手に取ってみてください。

 

レジデントのための感染症マニュアル

感染症を学ぶ上では必読の一冊です。

抗菌薬の使い方や感染症の治療について困ったことがあれば是非手に取ってもらいたいと思います。

大学ではあまり感染症についてやることは少なく、特に感染症治療についてはあまりやらないと聞きます。

しかし、臨床の現場では薬剤師は感染症治療で活躍する機会も多く、

病院実習をきっかけに感染症にも興味をもってもらえると嬉しいです。

 

自分は個人的に感染症治療を薬剤師が学ぶのを勧めています。

よろしければこちらもご覧ください。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

ストックリー医薬品相互作用

薬物間相互作用を調べるときに役立つ一冊です。

本当は英語の書籍です、残念ながら。

薬物間相互作用のメカニズムや対策について調べることができる辞書のような一冊です。

グッドマンギルマン同様に原著は買わないでください。

幸い?日本語訳のポケット版もありますので、読みやすいと思います。

こちらは白衣のポケットに入る大きさです。

 

注射薬調剤マニュアル

この本は配合変化を調べるのに有用な書籍です。

注射を扱う病院には必ずおいてある(あってほしい)一冊です。

注射薬の配合変化について条件に沿って確認することができます。

病棟からの問い合わせランキング上位の配合変化をこの一冊で解決することができます。

唯一の欠点は医薬品が昔の商品名である点です。

時代の違いを感じてください笑

 

おすすめサイト

次はネットのサイトです。

パソコンが使えるのなら是非触ってみてください。

 

白鷺病院HP

腎機能が低下した患者さんへの薬剤の投与量を調べることができます。

これも病棟、特に医師からの問い合わせが多い内容です。

書籍であれば、「腎機能別薬剤投与量POCKETBOOK」です。

(薬局にあってほしいです。)

それでもわからない場合などに便利なのがこのサイトです。

http://www.shirasagi-hp.or.jp/goda/fmly/pdf/index.html

 

薬剤ごとの腎機能低下時のみでなく、透析時の投与量について検索可能です。

しかも、更新速度が速いので、結構なんでも調べられます。

しかし、このサイトも商品名での索引なので気をつけましょう。

 

Up to Date

HPではないですが、電子教科書の1つです。

施設で契約しているところで実習するのであれば是非使ってみてください。

(大学で契約していることころもあります)

何がすごいかって、なんでも調べられます笑

 

英語ですが、3か月ごとにその分野の専門家が集まり内容を常に最新のものにしてくれています。

教科書の弱点である速度をほぼカバーできる内容です。

疾患や治療法、相互作用まで調べることができるので使い機会がなくともあれば触ってみてください。

 

しかし、英語…

そう思ったかもしれませんが、今はAIの時代です。

おすすめの英訳サイトがあります。

DeepL翻訳

英語をコピペすれば日本語にしてくれます。

昔を比べ、意味の分かる、自然な日本語にしてくれます。

www.deepl.com

アプリもあるので入れておくと便利です。

ライフサイエンス辞書

これは医療系の単語を調べるのに役立つ電子辞書サイトです。

医療系でわからない単語があれば使ってみましょう。

lsd-project.jp

 

まとめ

学生実習に役立つツールのつもりで書きましたが、

実は新人薬剤師の先生方にも使ってもらいたいツールでした。

薬局にあれば是非、なければ買ってもらって使っていきましょう。

 

今回紹介したのはあくまでも「道具」です。

実際に「使い方」は習うより慣れろでまずは使ってみてみましょう。

うまくいけば自信につながりますし、失敗してもそこから得られる経験はあります。

 

特に学生さんは失敗してなんぼなので、失敗を恐れずに楽しんで実習に臨んでください。

早く成功するためには、いかに早く失敗するかです。

自分も10年間で数えきれないくらい失敗をして学んできました。

 

皆さんもは失敗から学べるようまずは挑戦してみてください。

それでは良い実習になることをお祈りしています。

 

RYO

 

 

初めての専門領域~感染症治療はいかがですか?~

ゴールデンウィークいかがお過ごしでしょうか。

 

5月2日(月)はカレンダーでは普通の日です。

一般企業は休みのところも多いですが、病院は出勤する先生が多いのではないでしょうか?

自分もそんな病院薬剤師の一人です。

 

職場の後輩やTwitter

「どんな分野から勉強すればよいですか?」

「おすすめの勉強分野はありますか?」

といった質問をよく目にします。

 

自分の回答は「抗菌薬の使い方」です。

今回は、初めての専門領域に感染症、抗菌薬を勧める理由を紹介します。

 

どこの病棟、診療科でも役に立つ

まず、感染症の無い病棟、診療科は無い点が挙げられます。

感染症は度の診療科でも生じます。

特に、カテーテル関連感染症、肺炎、尿路感染などは本当にどこの診療科でも必ず目にします。

 

また、各診療科に専門の感染症もあります。

感染性心内膜炎や髄膜炎、脊椎炎などです。

 

しかし、感染症がありませんという診療科はありません。

精神科であっても精神の感染症は無くとも入院している患者さんは感染症にはなります。

 

一方で、抗がん剤治療を例にあげましょう。

循環器内科でのがん化学療法、見たことありますか?

ないでしょう?

例外はあり、自分は10年の薬剤師人生で、一度だけ心血管肉腫の患者さんを見たことがあります。

もちろん、専門の病院に即転院されました。

 

このように、感染症を勉強すれば今後どこの診療科に行っても必ず役に立てることができると考えられ、非常にコスパはよいです。

 

薬剤師の専門性を活かせる

抗菌薬治療では薬剤師の専門性を活かせる場面は多数あります。

 

例を挙げると

①TDM

いわずと知れた薬剤師が大活躍できる分野です。

抗菌薬の投与量の設計を依頼されることは非常に多いと思います。

自力で全部やる医師に出会ったことはありません

(全部こちらに投げてくる医師にはあったことがあります)。

 

②薬物間相互作用

酸化マグネシウムキノロン系、テトラサイクリン系の抗菌薬の同時使用んいよる薬効低下。

マクロライド系抗菌薬による薬物代謝阻害。

リファンピシンによる酵素誘導による薬効低下。

など、薬物間相互作用による影響を考える機会は多いです。

 

③腎機能低下時の投与量検討

腎機能の低下時に減量が必要な抗菌薬は多く、用量設計を任せられることは多いと思います。

さらに、ICUや救急領域では人工透析や持続透析、体外循環など様々な状況に併せて最適な投与量を提案することもあります。

 

このように、抗菌薬治療において、薬剤師の得意を活かすことができるため、

しっかりと身に着けておくことで、病棟でも活躍できる可能性があります。

 

勉強する書籍豊富

勉強に書籍を利用することが多いと思います。

感染症領域については、この書籍が非常に充実していると思います。

また、多少古い書籍でも現在でも十分に利用できる点が挙げられます。

つまり、毎年書籍を新しく買いなおす必要が無く、コスパが良いことがわかります。

 

一方、がん化学療法の書籍は出版された瞬間に、すでに1st Lineの治療が変わっているなんてことが日常的におこります。

 

このように、書籍が充実しており、更新する必要がそれほどないことも理由の一つにあげられます。

自分がおすすめする書籍を紹介しますので、よろしければご覧ください。

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

認定、専門につなげやすい

感染症はまず60~80点取れれば十分病棟で活躍できると思います。

さらに研鑽を続けることで、認定、専門を目指すことができます。

 

日本化学療法学会の化学療法認定薬剤師

日本病院薬剤師会の感染制御認定・専門薬剤師

 

それぞれ、感染症を極めることもでき、認定・専門につなげることもできます。

また、近年多くの病院で設置されている、ICTやASTでも活躍できることができるでしょう。

 

まとめ

以上の理由より、自分はまず初めの専門領域として感染症治療をお勧めします。

60点取れるだけでも十分ですので、認定レベルに行かなくとも問題ないとも思います。

また、初期治療の考え方や調べ方を身に着けるだけでも十分な成果になると思います。

 

まずは初めの一歩を踏み込んでみて、少しずつできることを増やしていくとよいと思います。

また、病院には一人は感染症に詳しい薬剤師がいると思うので、その方に聞くのでもよいと思います。

 

感染症治療、抗菌薬療法が大好きな薬剤師は多くいますので、仲間を見つけて一緒に頑張るのもよいと思います。

 

是非、正しい感染症治療の知識を身に着け、実践していきましょう。

 

それでは、引き続き良いGWをお過ごしください。

 

RYO

 

おすすめの勉強法~週末の30分勉強法~

もうすぐGWです。

今年もコロナ禍のため家でのんびり過ごす予定です。

最近もPCR検査で陰性は確認できましたが、念のための対応です。

次の研究の計画でも立てようかと思ってます。

 

今日はおすすめの勉強法の3回目、最後の週末の30分勉強法です。

 

週末の30分勉強法

週末の30分勉強では、一週間(週5日勤務では5日)分の疑問のうち、

テーマを絞っての勉強です。

5日間のその日の10分勉強のうち興味の出た内容について勉強するとよいと思います。

 

専門の書籍を読む、ネットで少し調べてみるなどです。

時間は30分と書きましたが、気分が乗れば30分以上でも大丈夫です。

本を一章分読むでもいいですし、自分で区切りを決めて勉強してみるとよいと思います。

 

勉強する書籍について迷ったら、職場の先輩に聞いてみたり、アマゾンのランキングを見たり、Twitterで聞いてみたり、ブログでのおすすめを読んだり、方法を探すのもなかなか楽しいですね。

 

自分のもよろしければ覗いてみてください。

 

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

自分のしているとっかかりやすい、習慣化させやすい勉強法でした。

勉強の方法は十人十色だと思います。

自分の好きな方法を探すのも、自分なりにアレンジするのも楽しいですよ。

 

自分も10年くらいいろんな方法を試して今に至っています。

 

よく効率の良い勉強法を聞かれますが、

自分のやりやすい方法が一番だと思います。

 

国家試験とは異なり、一生続けるものですので、

結果よりも持続可能な方法での勉強が一番です。

環境問題みたいですね。

 

それでは、今回はここまでです。

今度は、じっくりと勉強したいときの方法についても紹介できればと考えています。

 

ブログをはじめて1月、多くの人に見てもらい感想もいただけたので

今後も続けていければと思います。

 

ゆっくりお休みください。

それでは良い連休を

 

RYO