Ryo@病院薬剤師 ”僕らは一生一期生”

病院薬剤師です。よろしくお願いします。

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どんな認定・専門を目指しますか?

新年度が始まって2週間目が終わりました。

(4月1日が金曜日だったので、実質1週目ですね笑)

 

新任職員の先生方、もう慣れましたでしょうか?

さすがにまだですよね。

 

さて、最近2年目の後輩からの質問にこんなものがありました。

「RYOさん。これからどんな認定や資格を取ればいいと思いますか?」

 

結構聞かれる質問ですし、自分でも気になるところですが

はっきりとした回答ができないのが現実です。

 

今回は自分の考える、認定、専門を取るにあたって、知っておいてもらいたいことについてお話させていただければと思います。

 

 

はじめに

いきなり、どんな認定、専門が良いか考える前に、

まずは、認定、専門を目指すメリット、デメリットについて考えてみましょう。

 

まずは、メリットから

①昇進、昇給の可能性が広がる

②配属での優遇、キャリアアップを狙える

③自己肯定感、達成感が得られる

 

でしょうか。

現実的すぎる気がしますが、まずは見てください。

 

メリット

①昇進、昇給の可能性が広がる

認定、専門によっては昇進や昇給の糧になります。

単純に、認定、専門を持っていると手当がつく病院もあるようです。

(私の勤める施設にはそんなもんは無いですが、)

 

他にも、施設認定に関わる〇〇指導薬剤師などは持っていると

施設として研修生を受け入れられる。

就職希望者が増えるなど組織としてのメリットがあります。

 

これらの認定、専門は上のポストに着く上ではあるとかなり良いと思われます。

また、意味合いは異なりますが、学位もその一つです。

病院の薬局長になるには必要なケースが増えており、昇進のために学位をとりに大学院に入る方もいるくらいです。

 

いずれもかなりの労力を要しますが、今後を考えるととりにいくのも良いかと思います。

将来を見据えて準備していきましょう。

 

 

②配属での優遇、キャリアアップを狙える

 

例えば、

がんの認定を持っている人に

「明日から救急行ってきて」

 

救急認定をとった人に

「外来癌化学療法の担当ね」

とはなりませんよね、普通は

(まれにそういうこともありますが、それは〇〇な上司の場合です笑)

 

今後も、その分野で活躍したいと思うのであれば、認定、専門を取っておくのは

「私はこの分野でやっていきます」

の意思表示になると思います。

また、経験を積めば、もうワンランク上の専門や指導資格にもつなげることができます。

 

 

③自己肯定感、達成感が得られる

なによりのメリットはこれだと思います。

努力が報われて嫌な気持ちになる人はいないと思います。

勉強や日々の業務が認められることは嬉しく、

もっと頑張ろうとなるでしょう。

頑張った結果としての認定、専門は自己肯定感を高めてくれると思います。

 

など、良いことはいっぱいあります。

 

一方でのデメリットについて

しかし、一方でちゃんと目標設定や目的をはっきりさせないで認定を目指す、とりまくるのはお勧めできません。

 

第一に薬剤師の場合は、「この資格がないとできない業務」はほとんどありません。

 

例を挙げると、がん関連の認定でしょうか。

外来がん化学療法において、抗がん剤の説明で算定が取れるくらいです。

それも今回の診療報酬改定でとりにくくなってしまったので残念なところです…

 

 

資格にもいろいろありますが、

「とにかく認定、専門を取るぞー😤」

のスタンスはあまりお勧めできません。

どんなことにも、リスクとコストがかかります。

 

何でもかんでも取ろうとした時のデメリットです。

①コストがかかる

キャリアパスが作りにくくなる

 

 

①コストがかかる

多くは学会が管理、運営しているので、ただでは取れません。貴重な収入源なので💸

学会の入会費、参加費、講習会、テキスト代、認定受講料、認定登録料(何故か別途取られる)などここぞとばかりとってきます。

維持費で数万円軽く飛びます。

また、時間も問題です。時間はタダではありません。

せっかくとったのに、仕事に活かせない、評価されないは悲し過ぎます。

(もちろん、経験済みです)

 

財源(お金、時間)は無限ではありません。

もちろん若い時の経験は必要ですが、どこかで踏みとどまらないと家計が苦しくなります。

 

キャリアパスが作りにくくなる

例えばですが、

「俺は癌のスペシャリストになる‼️」

と心に決め、外来がん化学療法認定、がん専門、がん指導と取得するのは目的と認定が一致しています。

また、上司も

「がんは彼に任せよう」

となるでしょう。

 

一方で、

「とにかく認定を取るぞー」

と感染、がん、緩和、NSTと取りまくったらどうでしょう。

もちろん、すごいですよ。

努力もモチベーションも尊敬できます。

また、後進の指導者にふさわしいと思います。

職場に一人は欲しいです。

 

しかし、悪く言えば、器用貧乏状態です。

 

なんでも出来る=ポジションに困る

 

になりかねません。

下手するといいように使われたり、穴埋め要因にされかねません。

80点取れるけど、100点のひとがいるし…となります。

 

 

ゲームがすきな人には分かると思いますが、

ステータス振でやってはいけないやつです。

魔法剣士が剣士特化、魔法使い特化に比べたら使いにくいでしょう?

 

 

認定、専門取得に向けて

認定、専門を考える上で自分は以下の2点を考えます。

①自分のキャリアパスにあったものを目指す

②仕事に活かせるものを目指す

 

すると、まずはキャリアパスを作ることが先決です。

「まだわからないよー」

という人が多いと思いますが、準備はできると思います。

まずは、ベースとなる認定の取得ができます。

おすすめは、日本病院薬学認定薬剤師です。

がんや感染、救急など、さまざまな学会の認定のベースになるのでお勧めできます。

 

取り方は、以前のブログで紹介してますので、ご参照ください。

ryobyouyaku.hatenablog.com

 

3年で取得を目指しつつ、症例の経験を積んで、自身の興味や得意を見つけましょう。

3年ほどでキャリアパスが描けるようになったら、次のステップに進むのでも十分に最速のスタートが切れます。

 

 

病院編

多くの認定、専門には薬剤師歴5年以上が付きますので、残り2年で準備をすれば大丈夫です。

学会への入会が○○年の場合は、興味が出た段階での入会がおすすめです。

1年1万円しませんし、1年待つことと比べれば安いものです。

 

その後の専門、指導は

症例が50とか、論文が15本以上必要だったり、そもそも専門資格を取って○○年以上経過するなど先が長いです。

 

また、大学院に通う(甲号)または論文を書いて取得する(乙号)のいずれかです。

取るのには覚悟は必要なレベルです。

他の認定、専門とは比較できないくらいの時間(4年以上)と費用(50万/年以上+申請費用)を要します。

 

それでも、「病院薬剤師で一生頑張る」のであれば、自分に投資するのはよいかと思います。

自分も学位は早めに取りましたし、論文、症例は常にストックをもって準備しています。症例集積についてはそのうちお話できればと思います。

 

 

薬局編

また、薬局への異動を考えている場合です

転職って、となるかもしれませんが、病院薬剤師の先生には結構おりますのでご紹介します。

 

薬局で重宝される認定、専門は

外来がん化学療法認定薬剤師実務実習認定薬剤師が良いかと思います。

 

外来がん化学療法認定薬剤師は薬局では年収+50~100万とかが狙えるようです。

症例も10症例と少なく(がん専門、認定薬剤師は50症例)比較的取りやすいそうです。

 

実務実習認定薬剤師は実務実習の学生を受けるために1名必ず必要です。

1人当たり薬局に30万近い収入になるようです。

この認定はワークショップの受講が必須なのですが、応募してもあたらないことで有名です。病院では比較的番が回ってきやすいようですので機会があれば是非狙ったほうが良いと思います。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は個々の認定、専門の取り方については深く触れませんでしたが、

 

①まずは日本病院薬学認定薬剤師を目指す(3年で取得)。

②取りたい認定、専門の要件を調べる

③取得に向けて準備する(2年くらい)

 

で進めていくのが良いかと思います。

 

もちろん、勉強や業務の成果として様々なものがありますから、

是非頑張ってください。

 

その際に、今日のお話。

自身のキャリアパスにあっているか

コストは見合うか

 

を考えることをお勧めします。

 

本日は以上です。

それではこれからも一緒に頑張りましょう。

 

RYO